星のはなし
水星逆行とは何だったのか(2026年版)
公開: / 更新: / 書いた人: よみさん
2026年7月24日の朝、水星の逆行が終わりました。7月のはじめから3週間ほど続いていた期間です。もしこのあいだに、送ったメッセージが変な受け取られ方をしたり、返信が急に遅くなったり、しばらく音沙汰のなかった人からふいに連絡が来たりしていたら——それ、あなたのせいではありませんでした、という話をこれからします。
占いの世界でいちばんよく使われて、いちばん雑に使われている言葉が「水星逆行」だと思います。「水星逆行だから仕方ない」で終わらせるのは簡単ですが、それだと結局あなたの手には何も残りません。なので今日は、逆行とは実際に何が起きているのかを、専門用語なしで最後まで説明します。
逆行とは、星が戻ることではありません
まず事実から。水星は、逆向きに進んだりしていません。ずっと同じ向きに、太陽のまわりを回っています。
では何が「逆行」なのか。地球から見たときに、水星が空を戻っていくように見える期間のことです。高速道路で、隣の車線の車を追い越すときのことを思い出してみてください。自分のほうが速く走っていると、隣の車が後ろへ下がっていくように見えますよね。実際には、その車も前へ進んでいます。水星の逆行は、これと同じ見かけの現象です。地球のほうが内側の水星を追い越す、あるいは追い越されるときに、見かけの向きが反転する。
西洋占星術では、水星に「言葉・連絡・約束・移動」といった役割を持たせて読みます。その水星が戻って見える期間は、それらの流れがふだんと同じようには進まない時期として扱われる——という約束事です。星が電波を出しているわけではなく、そういう見立ての体系だと理解しておくのがいちばん健全だと思っています。
恋のうえで起きやすかったこと
逆行の期間に増えるのは、感情そのものの変化よりも「伝わり方の事故」のほうです。具体的にはこのあたり。
- 軽く送ったつもりの一言が、重く受け取られた(あるいは逆に、真剣な話が流された)
- 返信が遅くなり、返ってきた内容も短くなった
- 約束の日時や場所が、お互いの記憶で食い違った
- しばらく連絡のなかった人から、ふいに連絡が来た
- 送信ボタンを押した直後に「これ、送るべきじゃなかったかも」と思った
最後のひとつに心当たりがある人は、けっこう多いのではないかと思います。逆行のあいだは、自分の言葉の温度と、相手に届く温度がずれやすい。だから「送ったあとに後悔する」が起きやすくなります。
ここで大事なのは、逆行は彼の気持ちを変える力を持っていない、ということです。伝わり方の道が混んでいただけで、気持ちそのものは動いていない。ここを混ぜて考えると、必要のない不安を自分で作ってしまいます。
終わったあと、しなくていいこと
逆行が終わった直後にやりたくなるけれど、やらなくていいことがあります。
- あの時期に送ってしまった文を掘り返して読み直す(読み直しても、もう直せません)
- 「あのとき変な文を送ったから嫌われた」と結論を出す(伝わり方の事故と、気持ちは別のことです)
- 返信が遅かった理由を、彼に確かめる(理由を聞くほど、遅れた事実が大きくなります)
- 逆行が終わったから、と急に長い連絡を送る(流れが戻るのに数日かかると読みます)
代わりにひとつだけ、やっておくと効くことがあります。逆行のあいだに止まっていた連絡があるなら、内容を短くして送り直すこと。長い説明ではなく、一行で。逆行明けは、言葉が素直に届きやすくなる時期として読みます。
2026年の逆行カレンダー(自分で計算しました)
ここからは日付の話です。この記事の日付は、他のサイトから引いたものではなく、天体の位置を自分で計算して出しています。計算はNASA(JPL Horizons)が公開している実測値と突き合わせて確認しました。あわせて、日付がどれくらいぶれうるかも書いておきます。
水星の逆行(2026年は3回)
- 2月26日 〜 3月21日(うお座で折り返し)
- 6月30日 〜 7月24日(かに座で折り返し)← 終わったのがこれです
- 10月24日 〜 11月14日(さそり座で折り返し)← 次はここ
金星の逆行(2026年は1回)
- 10月3日 〜 11月14日(さそり座で始まり、てんびん座で終わります)
水星の日付は、いずれも誤差0.1日以内で特定できます。一方で、動きの遅い星(木星や土星)の折り返しは、同じ精度で計算しても日付が数日ぶれます。星は境目のあたりで動きが極端に遅くなるので、「その日から」と断定できる種類の情報ではないのです。日付を1日単位で言い切っている記事を見かけたら、そこは少し引いて読んでいいと思います。
本番は10月。しかも金星と重なります
カレンダーを見て気づいたことがあります。2026年10月から11月は、金星の逆行(10月3日〜)のなかに水星の逆行(10月24日〜)が入り込み、そして11月14日に二つが同じ日に終わります。
恋の文脈では、水星より金星のほうが主役です。西洋占星術で金星に持たせる役割は「好き」「心地よさ」「価値の感じ方」。その金星が戻って見える期間は、今の関係の心地よさを自分がどう感じているかを、あらためて確かめる時期として読みます。過去の人を思い出しやすい時期でもあります。
そして、ひとつ付け足しておきたい事実があります。金星の逆行は毎年あるものではありません。当方の計算では、2027年には一度も起きません(2028年1月末まで確認しました)。だから2026年の10月から11月は、しばらく来ない時期ということになります。怖がる必要はまったくなくて、「見直しに向いた時期が来る」という意味です。
あなたの場合はどう出るのか
ここまでは、全員に共通する空の話でした。ただ、同じ逆行でも、出方は人によって変わります。生まれたときの星の配置と、いま動いている星の位置の関係で決まるからです。「連絡が乱れる人」「気持ちが揺れる人」「仕事のほうに出る人」と、置き場所がずれます。
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星のトリセツ(無料)を読む- 水星逆行のあいだ、新しいことを始めてはいけないのですか?
- そういう決まりはありません。禁止事項として読むより、「伝わり方の確認を一回多めにする時期」として使うほうが現実的です。契約や約束ごとで日時と場所を復唱しておく、送信前に一度読み返す。それだけで、この時期に起きやすい事故はだいたい防げます。
- 逆行が終われば、彼から連絡が来ますか?
- 逆行の終わりが、誰かの気持ちを動かすわけではありません。ただ、あなたの言葉が素直に届きやすくなる時期ではあるので、止まっていた連絡を短い一行で送り直すには向いています。動くかどうかを決めるのは、いつもあなたのほうです。
- なぜサイトによって逆行の日付が1日ずれているのですか?
- 星が折り返す瞬間の前後は、動きが極端に遅くなります。そのため、どの瞬間を「開始」と呼ぶかで日付が変わり、計算方法の差もそのまま出ます。動きの速い水星は0.1日以内で特定できますが、木星や土星は数日ぶれます。日付が違うのは、どちらかが間違っているというより、そういう性質のものだと思ってください。
- 2027年の日付も知りたいです。
- 水星は2月10日〜3月3日、6月11日〜7月5日、10月7日〜10月28日の3回です。金星は2027年には逆行しません。年が変わると日付は毎回変わるので、来年また計算してこの記事の2027年版を出します。